改定スケジュールと記帳処理を確認しておこう/値札やメニューなどの価格の表示方法に注意が必要 /経過措置に関する取引に注意しよう

会計コラム 消費税改定でどんな準備が必要か

2015.9.4

消費税改定でどんな準備が必要か

改定スケジュールと記帳処理を確認しておこう

平成9年の3%から5%への消費税増税以来、実に17年の時を経て平成26年4月1日より消費税率が8%へと改定されました。

消費税は、取引時の税率がそのまま申告時の税額計算に用いられるため、改定年における記帳作業では取引ごとに税率を分けて入力しておく必要があります。

経費などの支払いの際にもらう領収書は日付が明確に記載されていることを確認し、仕訳入力時においても平成26年3月31日以前の取引と、平成26年4月1日以降の取引とでそれぞれ正しい税率による分類がなされているか確認しましょう。ClearWorksでは、仕訳日の日付により、適用される税率を自動で分類します。

領収書などの原始帳票の日付を打てば自動的に正しい税率がされるため、取引ごとに税率を選択し、入力する必要はありません。ただし、売上や経費の計上を入金時に認識する「現金基準」に準じた入力処理を期中に期中に行っている場合には、入金時の税率ではなく、請求時の日付で適用税率を判断しますので注意が必要です。

取引ごとに税率を分けて入力する

仕訳日の税率で入力する

値札やメニューなどの価格の表示方法に注意が必要

平成16年の消費税法の改正により、価格の表示については税込金額による表示が義務付けられていましたが、今回の2段階の改正による事務作業への考慮から一時的に税抜金額による価格の表示が可能となりました。

右記表示方法のうち、下側のケースでは10%に改定された後でも値札の付け替えは必要ありませんが、上側のケースでは10%に改定された後に値札を張り替える必要があります。

そのため、作業の手間を考えた場合には税抜きによる表示が望ましいのですが、この取り扱いは平成29年3月31日までの一時的な措置ですので、これ以後は税込表示に戻さなければなりません。そのため、10%改定時まで見据えた価格設定やその表示方法を考えておく必要がありそうです。

108円(税込)、100円+税、どちらもOK

経過措置に関する取引に注意しよう

税率が変更される前後の取引では、適用される税率の取り扱いと従前の契約上の取引金額との間で不合理が生ずることがあり、一定の取引について経過措置が設けられていますが、このうち、多くの事業者に関して見られる取引に絞って内容を確認していきましょう。

電気料金等に関する経過措置

継続契約による電気、ガス、水道水及び電話等の料金でその契約が税率の改正日前から続いているものについて、改正日(平成26年4月1日)から平成26年4月30日までの間に料金の支払確定日が到来するものに関しては、改正前の税率(5%)が適用されます。

電気料金などの水道光熱費は、概ね1カ月ごとのメーターの検針により利用料が確定します。そのため、改正日前後の利用料はいつの取引であるのかを厳密に測定することができないため、改正日を含む支払いをすべて税率5%適用の取引としています。4月分の支払いの記帳処理の際には注意が必要です。

また、この取り扱いは使用料に応じ課金される「従量制」の取引を対象としていますので、電話料金などでも「定額制」となっているものに関しては適用がありません。

継続契約の場合の税率適用

不動産の賃貸借やリース取引などの継続契約に関する取引

不動産の賃貸や資産の取得に該当しないリース取引などは通常、契約書に契約期間における月々の支払金額が定められています。

このような継続取引に関しても原則的には改正日(平成26年4月1日)よりも前の取引なのかどうかにより適用される税率が異なりますが、平成25年9月30日までの間に締結した契約に基づく取引に関して、下記の要件に該当する場合には、改正日以後、契約満了までの期間の取引であっても改正前の税率が適用されます。

改正日

≪適用要件≫ 次の3つの要件のうちイの要件を満たす場合で、かつ、ロとハのいずれか要件を満たす場合。
イ その契約において貸付期間、その期間中の賃料が定められていること。
ロ 貸主の事情などによりその賃料の変更を求めることができる旨の条項がないこと。
ハ 契約期間中に当事者のいずれかが「いつでも解約の申入れをすることができる」旨の条項がないこと。

上記適用要件を読む限り、大半の不動産賃貸契約書ではロやハに規定する条項の記載があるため、適用できないケースが多いのですが、リース取引などに関しては適用される取引もありますので、この機会にもう一度契約内容を確認しておくようにするとよいでしょう。

なお、売買とされるリース取引についてはリース契約の締結時点での資産の購入の取り扱いになりますので、経過措置の対象とはなりません。17年ぶりの改定によりさまざまな混乱がしばらく続きますが、まずは正しい分類が記帳業務においては重要となりそうです。

正確な処理を把握すること、帳票を日付ごとに整理しておくなどミスを防ぐよう準備しておきましょう。

ライター
クリアワークス事務局
クリアワークス事務局
各業務担当者の方へ便利な情報を発信していきます。

消費税改定でどんな準備が必要か TOPへ戻る
青色申告って何?/青色申告と白色申告がある/青色申告の目的とメリット/青色申告の最大のメリット/そのほかの特典/白色申告の記帳義務化