販管費の計上における注意点/商品の販売に係る販売費/広告宣伝費はさまざまな取引が混在する/ものとサービスで取扱いが異なる広告宣伝費/一般管理費はさまざま費用が混在する

会計コラム 販管費の計上における注意点

2015.10.23

販管費の計上における注意点

販管費の計上における注意点

損益計算書は、一会計期間における経営成績を示す表であり、収益と収益を得るために要した費用の差額を利益として計算するものです。そのため、財務諸表の中でも株主がもっとも重視する表であるともいえます。

損益とは、第6回コラムでご紹介した「発生主義」の考え方に基づき作成されるため、私たちが日常的にお金を管理する際に用いる収支計算とは異なります。

今回はこの「損益」と損益を出すために求められる「販売費及び一般管理費」について見ていきましょう。

販売費及び一般管理費

商品の販売に係る販売費

販売費及び一般管理費は、販売のために要する「販売費」とそれ以外の会社の運営に必要な経費である「一般管理費」に分かれます。

販売費の代表的な勘定科目は、「荷造運賃」「広告宣伝費」などです。「荷造運賃」は、商品の販売に係る配送料を計上する科目です。

商品の流れ

商品の販売に係る運賃は、仕入時の運賃と販売時の運賃の2つがありますが、商品の仕入時の運賃は商品の仕入に係るコストであり、売上原価を構成するため、商品の取得価額に含めて計上します。

これに対し、商品の販売時の運賃は販売に係る費用であるため、「販売費」となります。同じ運送料でも、商品販売のどの時点で発生している費用なのかにより、計上する科目が異なるため注意が必要です。

広告宣伝費はさまざまな取引が混在する

会社が売上を伸ばすために、広告宣伝費は今や欠かせない費用となっていますが、その宣伝の方法も昔ながらのチラシやパンフレットといったシンプルな方法にとどまらず、インターネットで多くの人に大量の情報を流すなど、同じ広告宣伝といっても様々な方法があります。

しかし、広告宣伝は前述の発生主義の考え方を正確にとらえられないと処理できない項目も多いため、これらの考え方をマスターしたうえで、取引が具体的に「いつ費用として計上されるのか?」を押さえておく必要があります。

ものとサービスで取扱いが異なる広告宣伝費

広告宣伝費のうち、チラシやパンフレット、販促グッズ、試供品などの販促物は、商品と同様に期末において未使用のものがあればその部分は「貯蔵品」という科目で資産として計上します。

貯蔵品は、商品などと同様に棚卸資産となるため、未使用のものに対する在庫管理の必要性が生じます。

テレビや新聞、雑誌の広告などは、一般的には掲載前に代金の決済が行われますが、掲載期間が当会計期間に属さないものに関しては当期の費用として認められません。

そのため、経過勘定といった特殊な科目を使った処理を行って費用の繰延を行います。

看板などの屋外広告では、高額なものは固定資産となるため、その支払額が重要となり、減価償却の必要性が生じます。

また、最近ではインターネットによる広告が主流になっています。契約期間や内容に応じて費用への算入時期が異なります。また、海外のWEBサイトなどを通じた広告では消費税の取扱いに注意が必要です。

これらの取引には、契約書などの取引内容がわかる資料を確認し、処理するようにしましょう。

一般管理費はさまざま費用が混在する

商品の販売のための費用である販売費に対し、一般管理費はさまざまな費用が存在します。

例えば、事務職員などの給与手当や、社会保険料などの法定福利費、備品などの購入に係る消耗品費、電気料金や水道料金などの水道光熱費、電話料金などの通信費が該当します。

計上に関しては、売上や仕入と同様に発生主義がとられるため、当会計期間に属する費用であるのかの確認が必要です。

特に使用実績による後払いとなる水道光熱費や通信費は、支払月と発生月が異なることが多いため注意が必要です。各勘定科目の具体的な使い方は、第5回コラムを参照してください。

販売費及び一般管理費の計上がマスターできれば、簡単な仕訳入力はマスターしたも同然です。それぞれの注意点を確認し、記帳をマスターしていきましょう。

ライター
クリアワークス事務局
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